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病気のお話・健康コラムAbout Diseases ・ Health columns

附録

体質とは?

体質という用語はしばしば遺伝と混同されています。

「私の太りすぎは肥満体質のせいですから、食事を減らしても仕方ありません」とか、「家はみんな高血圧の体質なんです」とよく聞かされます。 この場合、多くのヒトは、体質=遺伝とみなしているようです。 しかし“体質”とは、遺伝と、そのヒトが生まれてから曝されてきた環境因子((紫外線、感染、細菌、ウイルス)、いろいろの化学物質など)や生活習慣とが相互に影響を及ぼし合ってできあがった状態を意味しています。

私たちの体を特徴づけている最も小さな単位は、人類の誕生以来先祖代々受け継いできた遺伝子ということができます。 この遺伝子には生まれつきの異常もあれば、生後に起こる異常もあります。 たった一つの遺伝子異常によって起こりうる病気(単因子遺伝性疾患,単一遺伝子病)は、アデノシン・デアミナーゼ欠損症をはじめ、筋ジストロフィー、ハンチントン病、ウエルナー病、のう胞線維症などが知られています。

一方、本態性高血圧症とか肥満、糖尿病、動脈硬化など、ありふれた病気(コモン・デイジーズ)の原因には、いくつか複数の遺伝子が関わりをもち(多因子遺伝性疾患,多因子病)、そこにいくつかの環境因子が影響を及ぼし発症してくると考えられています。 がんを例に取り上げますと、確かにがんになりやすい家系は存在しますが、がんは完全に“親から子に遺伝する遺伝病”とはいえません。 生まれてから環境の影響によって生じた遺伝子の突然変異ががんを起こしやすくする可能性もあります。

糖尿病や高血圧症の中には、遺伝子の異常が突きとめられているいくつかのタイプがあることは事実ですが、それらはごく限られたまれな疾患です。 大部分の患者さんはなんらかの遺伝要因を親からもらっているとはいえ、飽食、運動不足→肥満、あるいは塩分のとりすぎ、ストレス→高血圧症という、生活習慣が大きな関わりをもっている方が重要な意味をもっています。 第3の留意点は、できるだけ規則的な食事時間を守ることです。 肥満のヒトがしばしば陥る過失は、朝食抜き,昼食抜きか軽食,そして欠食を代償するかのように夜遅い時間に“ドカ食い”をする食習慣です。 このような食事の摂り方は多くの勤務者にみられます。 夕遅く空腹状態で一擧に大量の食物を摂りいれると、膵のβ細胞からインスリンが多く分泌されて、摂り入れたエネルギーを効率よく体に脂肪として沈着させ、肥満症に傾かせるのです。 一気の大食漢“gorger”より、少しずつ3回に食べる小食かじり“nibblerの方が健康を保つためにはよいといわれています。

健康診断のために必要な検査

ヒトの体は、全身に血液をおくる心臓と血管系、血液(静脈血)に酸素を与えている肺(呼吸器系)、エネルギーの源(栄養素)をとり入れ、これを消化,吸収している消化器系、身体を巧妙に動かすための筋・骨格系から構成されている精密な器械ということができます。 そしてこれら器械のはたらきは脳(神経)・ホルモン・免疫制御系によって微妙に調節されています。

器械を長時間にわたり安全に使うためには定期的な点検が欠かせないように、われわれの身体も自覚症状がなくても定期的な健康診断をしておく必要があります。 40才以降に行われている健康チェックが人間ドックといわれる理由は、身体が磨滅していく部分を早く見つけ、対応するためです。 ところがどのような検査でヒトの健康度を判定するかについてはいろいろ議論があり、絶対的な“もの尺”はないといえます。 そこでこれまでに蓄積されてきた多数例を対象にした疫学調査成績を基礎にして、成人以降、罹りやすい疾患の危険因子の有無を検査し、異常がみつかる前に対応しようというわけです。

通常、ドック健診は、身体計測(身長,体重,血圧)・視力・聴力・呼吸機能などの生理機能、そして尿・尿検査、血液学的検査、血液生化学・血清学的検査および腫瘍マーカーを調べ、心・肺の生理学的検査と画像診断,腹部内臓(肝,腎,膵)の画像診断,消化管については内視鏡検査を行うのが一般的です。 また、眼底写真も動脈硬化や糖尿病性細小血管症を検索するためになされています。 画像診断は、一般に通常のレントゲン検査、あるいは腫瘍マーカーの検索で異常が見つかった場合の精密検査として行われます。 超音波エコーグラフイー,CT,MRI ,または放射能を用いるスキャンなどにより行われます。 日本人においても前立腺肥大,がんが増えつつあり、前立腺がんに特異的なマーカー SPA(前立腺特異抗原)が上昇を示す場合、前立腺の精密検査を行います。

画像検査

従来からひろく行われているレントゲン検査に加え、近年いろいろの内臓器官、脳・背髄系、骨格・筋肉、心血管系のほかリンパ節の腫脹など、形態の変化、新生物(癌など悪性腫瘍および良性腫瘍)を検索する手段としてコンピューター診断撮影(CT)、磁気共鳴画像法(MRI、MRA)、脳血流,脳の代謝やはたらきを測定できるボジトロン断層撮影法(PET)、放射性物質を用いるシンチグラフィのほか、超音波(エコー)検査の技術が応用されています。 これらの検査は、目的とする臓器によってどの方法が適切か、またいくつかの方法の組み合わせで判断するかが決められます。 さらにヘリカルスキャンによるCT,MR血管撮影では、血管を描き出すことができます。 血管(動脈および静脈)の病変を観察する超音波検査も日常的に行われるようになりました。 頚動脈や下肢の動脈が粥状アテローム硬化病変によってどの程度狭くなっているか(狭窄度)を調べることができます。

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