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病気のお話・健康コラムAbout Diseases ・ Health columns

ヘリコバクター・ピロリ (helicobacter pylori)について

ピロリ菌って何ですか?

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の中に生息している細菌で、口~口感染や糞便~口感染によりヒトからヒトへ感染します。日本におけるピロリ菌の感染者は、全人口の約50%、約6000万人と推定されております。40歳以上の日本人の70~80%が感染しているといわれていますが、20歳以下の若年者では、感染率は20%以下です。

ピロリ菌と消化性潰瘍 --- 潰瘍の原因はピロリ菌!

ピロリ菌感染により胃炎が進行します。 この菌に感染している人の数%が胃潰瘍や十二指腸潰瘍になります。逆に胃潰瘍、十二指腸潰瘍の90%の原因がピロリ菌感染といわれてます。ピロリ菌除菌により、多くの場合、今まで再発を繰り返していた潰瘍がなおり、再発しないようになります。

ピロリ菌と胃癌! --- 胃癌の原因はピロリ菌!

近年の研究で、胃にピロリ菌が感染していると胃癌になりやすいことがわかってきました。1994年WHO国際がん研究機関がピロリ菌を「確実な発がん因子」として認定しました。 また、ピロリ菌に感染している方のみから胃癌が年率0.5%で発生する(ピロリ菌が10年間感染している100人中5人から胃癌が発症)のに対して、ピロリ菌に感染せず慢性萎縮性胃炎がない方からは胃癌は発生しないことがわかってきました。 一般にピロリ菌感染者はピロリ菌非感染者より3~5倍胃癌になりやすいとされています。 特に、若年層でのピロリ菌陽性者は非感染者より数10~数100倍胃癌になりやすいともいわれております。 一方、ピロリ菌感染者(約6000万人)全体でみると、その1%程度が胃癌を発症しています。

ピロリ菌の除菌で胃癌のリスクが1/3に低下! (消化性潰瘍の方での検討)

ピロリ菌の感染した消化性潰瘍の方で、ピロリ菌の除菌が成功した方の胃癌発生率は年率0.2%に対して、除菌が成功しなかった方の胃癌発生率は年率 0.7%との報告があります。 つまり、ピロリ菌をうまく除菌できた人はピロリ菌感染が持続した方はより、胃癌リスクが約1/3に抑制できるとの結果です。

早く除菌するほど効果的

ピロリ菌感染が胃全体にひろがり、胃の粘膜が癌の発生しやすい状態に変化する前に、ピロリ菌を除菌すれば、胃癌の発生はほぼ完全に予防できることもわかってます。逆にピロリ菌により胃の粘膜が癌の発生しやすい状態に変化したあとでは、ピロリ菌除菌による癌発生抑制効果がかなり減弱します。つまり、除菌は早いほど効果的です。

ピロリ菌の検査法

ピロリ菌検査法として、日本ヘリコバクター学会のガイドライン上は次の6種類が推奨されてます。
1. 迅速ウレアーゼ試験法
2. 培養法
3. 鏡検法
4. 尿素呼気法
5. 血清ピロリ菌抗体法
6. 便中ピロリ菌抗原測定法 です。
1~3が内視鏡による生検組織を必要とします。4~6は内視鏡検査を必要としません。検査当日結果が判明するのが、1迅速ウレアーゼ法です。当院では1・3・4・5の検査法を採用してます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方は、保険診療として1~6の検査をうけることができます。

ピロリ菌除菌療法

ピロリ菌は抗生剤と潰瘍の薬を組み合わせて1週間服用する除菌治療により、約8割の方でピロリ菌を駆除することができます。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方は、保険診療として除菌治療をうけることができます。当院では、ガイドラインにそった除菌療法(PPI+AMPC+CAM)(LAC法)を行ってます。具体的にはタケプロン(ランソプラゾールPPI)30mg サワシリン(AMPC)750mg クラリス(CAM)200mgを朝夕食後に1日2回1週間服用します。 副作用として、一時的に下痢、軟便や味覚異常がおきることがありますが、症状が軽い場合は、多少我慢して、のみきることにより、除菌を確実にすることができます。ただし、薬疹がでた場合はすぐに中止し医師の診察をうけて下さい。

きちんと服用した場合の除菌成功率は約8割です。 (注:サワシリンはペニシリンの一つなのでペニシリンアレルギーのある方は服用できません。事前に医師に申し出てください。このときメトロニダゾールに変更も可能ですが、保険適用は認められなくなります。)

除菌判定 (除菌が成功したかどうかの判定)

当院では除菌薬服薬終了1ヶ月半から2ヶ月後に尿素呼気法(内視鏡検査は必要ありません)にて判定します。(ガイドライン上は、除菌薬含む全ての消化器関連の服薬を終了または中止後、少なくとも4週以降の判定を推奨しています。) タケプロンやパリエットなどのPPIやガストロームを服用していると偽陰性となり判定が不正確となります。

初回除菌が成功しなかった場合

再除菌療法として保険診療上は初回除菌療法と同様の除菌薬(PPI+AMPC+CAM)が一回のみ認められています。しかし、この場合の再除菌成功率は2割弱(18%)と低いです。 ガイドライン上は再除菌療法としてPPI+AMPC+MNZ(メトロニダゾール)(500mg/分2日)が推奨されています。このときの再除菌成功率は85%です。しかし、保険適用は認められていません。

除菌成功後の再感染に関して

年間1.5%程度と推測されています。

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