私は2019年4月1日より飯田茂穂前病院長の後任として病院長を拝命しました。私は石川県金沢市生まれで1983年に新潟大学医学部を卒業後同年に金沢大学旧第2内科第5研究室（消化器グループ）に入局し2019年よりは金沢大学消化器内科教室に所属しております。
　北陸病院には1993年4月より消化器科医長として赴任し、2006年より内科部長、2010年より診療部長兼副院長として診療と病院経営にたずさわってきました。現在は消化器疾患や一般内科の診療と訪問診療を行っています。院長として職員個人を大切にし柔軟で迅速な対応力をもって謙虚に院長の役割と責任を果たしていくことを胸に刻んでいます。
　北陸病院は病床数124床（急性期病床82床　地域包括病床42床）の小規模病院であります。病院の理念は、地域の皆さまから｢親しまれ、信頼される病院｣であります。地域の中での立ち位置は「サブアキュートからポストアキュートに対応できる急性期機能を有する在宅医療も担う地域密着型後方支援病院」であります。急性期医療も行いつつ高齢者の方にやさしい地域に密着した病院であり続けます。地域包括ケア病棟にて総合病院や近隣の診療所の後方支援病院としての役割を果たすとともに、患者さんの在宅療養を医療面から支えるために2021年から在宅医療科を開始し24時間365日対応の在宅医療（訪問診療、緊急往診、看取り、訪問看護、訪問リハビリ）を行っています。近隣の医療機関や介護施設と連携して在宅医療を一層心のこもったあたたかみのあるものへ深化させていきたいと思っています。
　当院は内科、外科、整形外科、泌尿器科、放射線科、麻酔科で構成されています。いずれの科も各々の特徴をいかし、専門的かつ包括的な診療を提供しています。各科の連携は良好であり、迅速な対応が可能となっています。内科は消化器内科、循環器内科、糖尿病代謝内科、腎臓内科の常勤医とリウマチ科、脳神経内科、呼吸器内科の嘱託医で構成され、ほぼ全ての内科疾患に対応しています。内視鏡検査は、健康管理センターによる検診も含め令和4年度（R4:4月－R5:3月）において、上部消化管内視鏡7040件、下部消化管内視鏡1510件（この内、TCS：820件　EMR：367件）行っています。TCS女性day(女性限定で女性医師によるTCS)は女性の方には好評です。糖尿病は若手医師3名が中心となり糖尿病療養指導士9名とともに治療から指導まで最先端の診療を行っています。外科は、呼吸器外科、消化器外科、乳腺外科の常勤医と心臓血管外科の嘱託医で構成され、幅広い外科疾患に対応しており、緩和医療や化学療法にも取り組んでいます。乳腺科は乳腺外科医、乳腺を得意とする放射線科医、検査技師含めてスタッフ全員が女性であり、女性が受診しやすい環境を整えるとともに質の高い診療を行っています。整形外科はスポーツ整形を得意とし、日本サッカー協会（JFA）に医科学的に協力しグローバルに活躍しています。スポーツリハビリも積極的に取り組み、各リハビリ担当者が専門性をもって行っています。また、基礎疾患を多く内包する高齢者の膝痛、腰痛、肩痛などの整形外科疾患に、内科医も協力し多職種連携にて対応しています。当院は女性医師が6名在籍しそれぞれのライフワークにあわせて、活躍しています。当院の女性医師は皆さん優しい良医であり、病院のおだやかな雰囲気作りにも貢献してもらっています。 北陸病院はこれからも地域の皆様から信頼されるあたたかな病院を目指して努力しますので、よろしくおねがいします。

2024年4月 国家公務員共済組合連合会 北陸病院長 増永高晴