北陸病院では、専門性を持つ様々な職種スタッフが、それぞれの分野の知識やスキルを出し合い、患者さまにより良い医療を提供しています。
NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)とは、患者様に最適な栄養管理を提供するために、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、言語聴覚士などで構成された医療チームです。多職種がそれぞれの専門的な情報を共有し連携することで、患者様にとって最良の方法で栄養支援を行います。 患者様の栄養状態の改善、治療期間の短縮や合併症の予防、QOL(生活の質)の向上を図ることなどを活動の目的としています。
当院NSTは2002年より活動を開始し、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)及び日本栄養療法推進協議会(JCNT)のNST稼働施設として認定されています。2016年からは院外歯科医師とも連携し、口腔環境のケアを通じた栄養改善にも取り組んでいます。
また、栄養サポートチーム専門療法士の教育施設認定を取得しており、院外からの実習生の受け入れなども随時行っています。
栄養管理への知識を深めるため、年2回程度全職員を対象とした勉強会の実施
褥瘡対策チームは医師、看護師、薬剤師の多職種メンバーで構成され、褥瘡予防・治療・評価及び指導を行っています。週に1回褥瘡回診を行い、褥瘡のある患者の創の状態をDESIGN-Rを用いて正しく評価し、処置やケア方法を検討して指導・助言をし、褥瘡発生リスクの高い患者には予防ケアやマットレスの選択などの指導・サポートを行っています。月に1回の委員会では前月の状態をまとめ、振り返り問題点の改善や情報共有を行っています。また、年に1回、職員の知識、実践力向上のため、勉強会を行っています。
何か皮膚トラブルなどでお困りのことがあれば、ご相談下さい。
当院では、公的に認定された専門医インフェクションコントロールドクター(ICD)を中心に院内感染対策に積極的に取り組んでいます。
主な業務
超高齢化社会に突入し、入院患者様の中でも認知症や認知機能の低下がみられる方は増加傾向にあります。当院では 2019年8月に認知症ケアチームを発足しました。身体症状や環境変化によって認知機能の低 下や、せん妄状態(点滴の針を抜いたり、日時が分からなくなり混乱する等)を認めることがあります。また、認知症症状が治療に影響を与える場合もあります。認知症ケアチームは多職種で構成されており、そ れぞれの専門性を生かして患者様に関わっています。環境調整やレクリエーションなどを行い、穏やかな入院生活となるよう、退院後の生活を見据えてサポートしています。
入院による混乱を予防するためのケア方法や対応方法、環境調整などを提案、薬剤調整のアドバイス 退院後の生活を見据えたケア介入の提案、身体拘束解除に向けた検討
認知症やせん妄に関する研修を開催
糖尿病療養とは病院で医療者により管理されることではなく、患者様自身が毎日の生活で判断し選択し行 動することです。今日はどんな食事をするか、どのくらい運動をするかなどの選択を自分で決定します。 内服、インスリン注射など薬物治療の継続はご本人が行います。自己血糖測定値からその血糖値がどうし て高くなったか、どうして低くなったかをご本人で評価し次の選択、行動の判断につなげます。低血糖時 はブドウ糖を摂り血糖値を回復させますが、これもほとんどの場合はご本人で考え行動します。合併症予 防のために足を観察し清潔を保つこともご自身で行います。 患者様がひとりで判断し整続することは身体 的にも精神的にも負担が大きいことです。
当院の糖尿病チームは、日本糖尿病学会認定の専門医、糖尿病療養指導士(CDEJ)の資格をもつ看護師、管 理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士から成る専門チームです。定期的なカンファレンスで患者 さまの生活スタイルについての情報共有を行い、各専門の立場から、糖尿病療養に必要な知識、技術をわかりやすく説明します。患者様個人の病態および価値観に寄り添った最善の医療を提供するため研鑽を積んでいますので、お困りのこと、ご相談があれば内科外来へお問い合わせください。
高血糖状態がつづくと血管が傷ついたり、免疫力が低下したりして全身にさまざまな合併症を引き起こし ます。なかでも糖尿病腎症は、日本での新規透析導入者の原疾患で最も多く、全体の4割を占めると報告 されています。当院へ糖尿病治療のため通院中の患者様には定期的に尿検査を受けていただき、糖尿病腎 症2期以上の方には透析予防のための療養指導、栄養指導を行います。